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7年と記憶。

暫く止まっていた時間が動き出し、
ツアー再開の知らせが来た。

震災後初の公演日の前夜、
胸の奥にあるもやもやとした黒い塊に耐え切れず仙台の友人に電話した。


明日の公演どんな気持ちでステージに立てばいいのか分からないんだよ
こんな気持ちは初めてで
ロックだぜーイェーイなんてできんよ
自分が信じてきた音楽なんて
何の役にも立たないし
そっちは本当に音楽やらエンターテイメントの再開を望んでるだろうか
とにかく明日会場に行く気になれない
どうしたらいいか分からないんだよ


電話越しに泣きつかれても困るよな。本来泣きつきたいのはそっちなのに。
友人はこう言った。


それさ
あなたが人間だってことだよ
そういう仕事してる人間ならさ
こっちの出身じゃなかったとしても
悩んで当たり前だよ
この状況で明日から頑張ろうって吹っ切れるヤツ 俺は信じない
だからそのまま行きなよ
きっと舞台に立った時に
何か見付かると思うよ


許された気がした。
この気持ちのまま公演に向かおう。
君と話さなかったら本当に会場にすら行けなかったかもしれない。

こんな時にすまんな、
と言って電話を切った。


翌日、舞台から見えた笑顔、
沢山の人とこの場に居られることに感謝した。


あの光景、未だ目に焼き付いたまま。

けれど、もう二度とあんな気持ちでステージに立ちたくない。
それは客だって同じだっただろう。

あんな日がもう来ないことを願って。



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ジャッキー

兄は最高の人です。
本物のロックンローラーは
いつもいつも人の為に涙を流す
いつもいつも人の為に強がる
いつもいつも人の為に格好をつける
いつもいつも人の為に夢を見せる
そして
いつもいつも人の為にギターを弾く。
そんな兄が今この時でも僕は大好きです。
by ジャッキー (2018-03-30 22:15) 

やえぼぅ

ken兄、いつまでも変わらず優しく・カッコ良いです!!
当時、ken兄のギターに支えられた人も沢山いますよ。私もその1人です。ありがとうございます。
by やえぼぅ (2018-05-13 21:08) 

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